再建するときに

赤い服のシニア女性

以前は自家組織を移植する手術の場合に限り健康保険が適用されていましたが、2014年1月からは乳がんによって乳房をすべて摘出した患者さんであれば、インプラントによる乳房再建手術にも保険が適用されるようになりました。そのため、以前であれば片側一つで100万円ほどはしていたインプラントによる乳房再建手術も三割負担でうけられるようになりました。実際に掛かる費用は手術を行う病院によっても異なりますが、大体の目安としては自家組織による再建で30万円から50万円、インプラントによる再建で10万円から30万円となります。また、年齢や所得による制限はありますが、高額療養費制度を利用することで更に負担額を減らすことができます。

乳房再建手術がはじめて行われたのは1895年とされています。その際に用いられた方法は自家組織移植法でした。1960年代から1970年代にかけてシリコンを利用した手術法や広背筋皮弁法腹直筋皮弁法などの手術法が確立されると、乳がんによって乳房を失った方々に対して積極的に乳房再建手術が行われるようになりました。日本においても1970年頃には乳房再建手術が行われていましたが、乳がんの手術とともに再建手術が行われるようになったのは1980年代に入ってからでした。また、最近では再生医療の技術を応用して、脂肪幹細胞を利用して移植する手術法なども考案されています。 その他にも現在では、乳房を失うことによる精神的なダメージを考慮して美容的な側面を重要視するようになり、単に乳房を再建するだけでなく、患者本来の乳房にできるだけ近づける努力がなされています。